診療便り2017年第7号

2017/07/24

近年、外傷の治療は「湿潤療法」が基本となっています。

湿潤療法は、従来の処置に比べ、痛みを軽減しきれいに早く直す怪我の治療方法です。
ポイントは、①十分に洗うこと ②乾かさないこと  ③消毒しない ことです。

 

①  十分に洗う 

 傷が化膿する原因は、細菌です。土や砂、血液や「かさぶた」といったごみがあると、

 これらが栄養分になり、細菌は一気に数百~数千倍に増殖し、その結果、感染・化膿します。

 つまり、ごみを取り除いていれば、化膿・感染はまったく起こらないのです。
 ごみを洗うには、水道水(流水)が最適です。
 水道水は塩素消毒してあり雑菌がほとんどいないきれいなものなのです。

 湯船のお湯は、適していませんので御注意を。

 

②  乾かさない
 表皮に傷がつくと、体液(「うみ」ではない!)が染み出てきます。
 この体液こそが傷を治す主役なのです。
 傷を乾かすと、体液が乾いて「かさぶた」(=ごみ)になってしまいます。
 (「かさぶた」は、傷の治癒を遅らせるばかりか、細菌の栄養分になってしまいます)
 また、空気にふれることにより、痛みを感じるようになります。
 被覆剤(シール)または多めの軟膏で傷を覆うと、体液を乾かさず、傷に保持することができ、その結果治癒を促進し痛みを軽減します。

 

③  消毒しない
 傷を消毒して染みた、という経験は誰にでもあると思います。
 実は、消毒液は細菌のみでなく、正常の人の組織も壊してしまうから起こる現象なのです。
 消毒しても、傷はいずれ治りますが、消毒をしない方が、組織を痛めず、より早く治ります。
  (ただし、傷の状態により、消毒が必要な場合があります。必ず医師に相談をするようにしてください。)

 


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